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浴衣は洗濯機で洗っても大丈夫?正しい洗い方とシワを防ぐ干し方

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こんにちは。きもの風雅 -Kimono & Me-のたくゆきです。

お祭りや花火大会で大活躍したお気に入りの浴衣。楽しい思い出がたくさん詰まった浴衣ですが、着用した後に「この浴衣、洗濯機で洗っても大丈夫なのかな…?」と不安になっていませんか?クリーニングに出すと数千円の費用がかかる上に、手元に戻ってくるまでに何日もかかってしまいます。できれば自宅の洗濯機でサッと手軽に、そして綺麗に洗いたいですよね。

浴衣洗濯機大丈夫と疑問に思っているあなたへ、今回は自宅で浴衣を洗濯機で洗うための手順や注意点を、和装のプロの視点から分かりやすく丁寧に解説します!実は、適切な手順といくつかの重要なポイントさえ押さえれば、お気に入りの浴衣をシワや型崩れなく自宅で完璧にケアすることができるのですよ。この記事を読めば、お気に入りの浴衣を家庭で美しく洗い上げ、次のお出かけにも気持ちよく袖を通せるようになります。それでは、さっそく詳細を見ていきましょう!

  • 浴衣が洗濯機で洗えるかどうかを見極めるための洗濯表示と素材のチェック方法
  • 襟元や袖口の気になる汚れをすっきり落とすための簡単で効果的な前処理の手順
  • 生地を傷めずシワを防ぐためのおしゃれ着用洗剤と洗濯機の最適なコース設定
  • 型崩れを極限まで防ぎ美しく仕上がる畳み方と陰干し・ハンガーの選び方のコツ
目次

浴衣は洗濯機でも大丈夫?洗えるかの見分け方

浴衣を自宅の洗濯機で洗う前に、まずはその浴衣が「本当に洗濯機に入れても大丈夫なものなのか」を見極める必要があります。この確認を怠ると、一回洗濯しただけでお気に入りの浴衣が激しく縮んでしまったり、色がにじんで柄が台無しになってしまったりする恐れがあるからです。ここでは、プロの視点から浴衣が洗濯機洗い可能かどうかを判断する具体的な基準とチェック方法を分かりやすく解説していきます。

自宅で洗える素材と洗えない素材の違い

浴衣と一言で言っても、実は使われている繊維の素材は様々です。まずは浴衣の「素材」に着目して、洗濯機で洗えるかどうかを分類してみましょう。自宅の洗濯機で安全に洗える代表格は「綿(コットン)」「ポリエステル」です。

綿は吸水性と通気性に優れ、夏の浴衣の主流素材ですが、水を含むと繊維が膨潤し、乾燥する際に縮みやすいという特性があります。しかし、一般的な普段着用の綿浴衣であれば、後述する優しいコースで洗うことで問題なく洗濯機洗いが可能です。一方、近年非常に増えているポリエステル製の浴衣は、シワになりにくく速乾性に優れているため、家庭での洗濯機洗いに最も適した素材と言えます。型崩れもしにくく、初心者でも扱いやすいのが特徴です。

【麻(リネン)混の浴衣について】
麻が混ざっている「綿麻(めんあさ)」の浴衣は、独特のシャリ感と涼しさが魅力ですが、麻は非常に縮みやすい性質を持っています。洗濯機で洗うことは可能ですが、綿100%の浴衣よりもさらに慎重に、優しく扱う必要があります。

一方で、家庭での洗濯機洗いが絶対に不可能な素材もあります。それは「絹(シルク)」「ウール」、そして特殊な加工が施された浴衣です。絹は水に濡れると繊維が急激に収縮し、光沢が失われるだけでなく、生地自体が硬くなってしまいます。また、ウールもフェルト化して縮んでしまうため、これらが少しでも含まれている浴衣は、必ず専門のクリーニング店に相談してください。お持ちの浴衣の素材をタグでしっかりと確認することが、お手入れを成功させるための大前提となります。

洗濯マークから判断する水洗いの可否

素材の確認と合わせて必ず行うべきなのが、浴衣の裏側に縫い付けられている「品質表示タグ(洗濯表示)」のチェックです。日本国内では平成28年(2016年)12月に洗濯表示が国際規格に合わせた新しいマークへと変更されました。新旧どちらのマークであっても、浴衣を水洗いできるかどうかの判断基準は明確です。

まず注目すべきは「タライ(洗濯桶)」のマークです。このタライマークが描かれていれば、家庭での水洗いが可能です。タライの中に「30」や「40」といった数字が書かれている場合は、それぞれ「30℃以下」「40℃以下」の水温で洗濯機洗いが可能であることを示しています。また、タライの下に「横線」が1本または2本入っている場合は、水流の強さを弱める必要があることを示しており、線が多いほど「より弱い水流(デリケートな洗い方)」で洗わなければなりません。

【水洗い不可マークに注意!】
タライマークに大きく「×」印が重ねられているものは、家庭での水洗いが一切不可能です。このマークがある浴衣を無理に洗濯機で洗ってしまうと、取り返しのつかない縮みや色落ちが発生する可能性が極めて高いため、絶対に洗濯機に入れないでください。

また、タライの中に「手」が入っているマークは「手洗い推奨」を意味します。この場合、洗濯機の手洗いコースやドライコースを使用することで、機械力を極限まで抑えて安全に洗うことができます。洗濯表示のルールを正しく理解し、衣類に負担をかけない方法を選択することが重要です。(出典:経済産業省『新しい洗濯表示』

浴衣の内側にある洗濯表示タグを指で示して確認している手元のアップのイラスト
※イメージ画像

絞りや刺繍のある高級浴衣の注意点

洗濯表示で「洗濯機洗い可」や「手洗い可」とされていても、生地の装飾や織りの技法によっては、洗濯機の使用を避けるべきケースがあります。その代表格が「絞り(しぼり)加工」「刺繍(ししゅう)」が施された高級浴衣です。

伝統工芸品としても名高い「有松・鳴海絞り」などの絞り浴衣は、生地を糸で縛って染め上げることで、立体的な凹凸(シボ)を作り出しています。このシボこそが絞り浴衣の最大の魅力であり、肌に触れる面積を減らして涼しく着られる秘密なのですが、水に濡れた状態で洗濯機の強い回転や摩擦が加わると、このシボが伸びて平らになってしまうのです。一度伸びてしまったシボは元に戻すことができず、高級な浴衣の価値を完全に失わせてしまいます。

【刺繍やラメ加工の剥がれリスク】
金糸や銀糸を用いた豪華な刺繍が施されている浴衣や、表面にラメ・金箔などの特殊プリントが貼られている浴衣は、洗濯中の摩擦によって糸がほつれたり、ラメや箔が剥がれ落ちたりするリスクが非常に高いです。

これらの繊細な装飾がある浴衣は、洗濯表示がどうであれ、家庭用の洗濯機で洗うのは避けるのが賢明です。どうしても自宅でケアしたい場合は、摩擦を加えない極めて優しい押し洗いにとどめるか、着物の取り扱い実績が豊富な専門の悉皆屋(しっかいや)や和装クリーニング店に依頼することを強くおすすめします。

事前にやっておきたい色落ちテストの方法

浴衣を初めて洗濯する際、あるいは久しぶりに洗う際に、絶対に忘れてはならないのが「色落ちテスト」です。浴衣は特に濃い藍色や鮮やかな赤、黒など、はっきりとした色彩で染められていることが多く、最初のうちは水に染料が溶け出しやすいという特徴があります。色落ちテストをせずにいきなり洗濯機で洗ってしまうと、浴衣の白い部分に濃い色がにじんで染まってしまう「移染(いせん)」が起き、二度と着用できなくなる惨事になりかねません。

色落ちテストの手順は非常にシンプルで、数分もあれば完了します。
まずは、白い清潔な布(または白いコットンやティッシュペーパー)を用意し、そこに今回浴衣の洗濯に使用する予定のおしゃれ着用中性洗剤の原液を少量含ませます。
次に、浴衣の目立たない部分(裾の内側の折り返し部分や、脇の縫い目の裏側など)を選び、洗剤を含ませた布でトントンと優しく数回叩いてみてください。

叩いた後に、白い布に浴衣の染料が少しでも付着しているようであれば、その浴衣は水によって非常に色落ちしやすい状態にあります。もし色移りが確認された場合は、家庭での洗濯機洗いはもちろん、水洗い自体を中止してください。色落ちしやすい浴衣を自宅で無理に洗うと、柄全体がくすんで汚くなってしまいます。この場合は、色止め処理を含めてプロのクリーニング店にお任せするのが唯一の安全策となります。

浴衣を洗濯機で大丈夫にするための正しい洗い方

浴衣が洗濯機で洗える素材であることを確認し、色落ちテストも無事にクリアしたら、いよいよ実際の洗濯プロセスに進みます。しかし、普段着のTシャツやタオルと同じ感覚で洗濯機に放り込んでしまうと、洗い上がった時には深いシワが刻まれ、見る影もなくヨレヨレになってしまいます。浴衣を洗濯機で「大丈夫」にするためには、和装ならではの特別な手順と工夫が必要です。ここからは、プロが実践している完璧な洗濯手順をステップバイステップで徹底解説します。

襟元や袖口の汚れを落とす前処理

洗濯機の中に浴衣を入れる前に、まずは汚れが溜まりやすい部分にピンポイントでアプローチする「前処理」を行います。浴衣を着用した際、最も汚れがつきやすいのは「襟元(えりもと)」「袖口(そでぐち)」、そして歩く際に泥や砂が跳ねやすい「裾(すそ)」の3箇所です。特に襟元には、汗や皮脂汚れだけでなく、女性の場合はファンデーションや日焼け止めがべったりと付着していることが多く、これらは洗濯機の優しい水流だけでは十分に落としきれません。

前処理には、洗濯でメインに使用する「おしゃれ着用中性洗剤」の原液を使います。
襟元や袖口の汚れが気になる部分に、洗剤の原液を直接薄く塗布してください。
その後、指の腹を使って優しく円を描くようになじませるか、柔らかい毛の歯ブラシなどを使ってトントンと軽く叩き込むようにして汚れを浮かせます。ここで絶対にやってはいけないのが、生地同士をゴシゴシと力強くこすり合わせることです。浴衣の生地、特に綿や麻は摩擦に弱く、強くこするとその部分だけ色がハゲて白っぽくなったり(白化現象)、繊維が毛羽立って生地が傷んでしまいます。

【襟のしつけ糸による完璧な型崩れ防止】
さらに仕上がりをプロ級に美しくしたい場合は、前処理の段階で、襟の形が崩れないように「しつけ糸」を使って襟元を軽く並縫いで固定しておくことをおすすめします。このひと手間を加えるだけで、洗濯中の襟のヨレや型崩れを完全に防ぐことができ、乾いた後のアイロン掛けが劇的に楽になります。

型崩れを防ぐための正しい畳み方

前処理が終わったら、浴衣を洗濯機に入れるために畳みます。浴衣を洗濯機で洗う際、型崩れを防ぐための最も重要な鍵となるのがこの「畳み方」です。浴衣をぐちゃぐちゃのままネットに入れたり、適当に丸めて洗濯機に入れてしまうと、洗濯槽の中で生地が複雑に絡み合い、アイロンを掛けても絶対に取れないような深い頑固なシワが刻まれてしまいます。浴衣を洗うときは、必ず格式ある畳み方である「袖だたみ(そでだたみ)」を行います。

袖だたみの具体的な手順は以下の通りです。
まず、浴衣を平らな床や畳の上に広げます。次に、背中の中心にある縫い目(背縫い)を基準にして、左右の身頃を綺麗に重ね合わせ、左右の袖もぴったりと重ねます。この状態で、浴衣が縦に半分に折られた形になります。次に、重ねた左右の袖を、身頃(胴体の部分)側へ向かって内側に折り返します。これで幅が一定の細長い帯状になります。最後に、浴衣の裾(足元)の方から、洗濯ネットの大きさに合わせて、3つ折りまたは4つ折りにします。全体の形が綺麗な長方形になるように整えるのがポイントです。

浴衣を平らなテーブルの上できれいに長方形にたたんでいる様子のイラスト
※イメージ画像

このように畳むことで、浴衣の繊維が一定方向に整い、洗濯中に生地が余計に動くのを防ぐことができます。畳む際は、シワやヨレが内側に残らないよう、手で生地をすっと撫でてシワを伸ばしながら、角をきちんと合わせて折りたたむように意識してください。この丁寧な畳み方こそが、アイロン要らずで着られる美しい仕上がりを実現する最大の秘訣なのです。

浴衣のサイズに合った洗濯ネットの選び方

袖だたみにした浴衣は、必ず「洗濯ネット」に入れて洗濯機に入れます。ネットに入れずに直接洗濯機に入れてしまうと、水流によって畳んだ浴衣がすぐにバラバラに広がり、他の衣類と絡み合って強い摩擦ダメージを受けてしまいます。しかし、ただネットに入れれば良いというわけではなく、ネットのサイズ選びに極めて重要なポイントがあります。

ネットのサイズは、「畳んだ浴衣が隙間なくピッタリと収まる大きさ」でなければなりません。大きすぎるネットを使用すると、ネットの中で浴衣が動いてしまい、せっかく袖だたみにした意味がなくなり、偏ったシワや激しい型崩れの原因になります。逆に小さすぎるネットに無理やり詰め込むと、洗剤や水が行き渡らず、汚れが全く落ちないばかりか、押し潰されたようなシワがついてしまいます。一般的には、35cm×50cm程度の角型のフラットなネットが、畳んだ浴衣にちょうど良いサイズとなります。

【ネットの網目の細かさもチェック】
使用する洗濯ネットは、網目の細かい「ダブルメッシュ(二重網)」タイプがベストです。網目が粗いネットだと、洗濯槽の穴や他の衣類のボタンなどと擦れて糸が引き出されてしまうリスクがありますが、目の細かいネットであれば、摩擦ダメージを極限まで遮断することができます。

また、ネット1枚に対して入れる浴衣は「必ず1枚」にしてください。複数枚の浴衣を1つのネットに重ねて入れてしまうと、汚れ落ちが悪くなるだけでなく、浴衣同士が擦れ合って色移りや毛羽立ちを引き起こす大きな原因になります。贅沢に1枚ずつネットを使用することが、大切な浴衣を守るための鉄則です。

生地を傷めないおしゃれ着用洗剤の基本

浴衣を洗濯機で洗う際に使用する「洗剤」の選定は、浴衣の寿命を左右する極めて重大な要素です。普段、ワイシャツやタオルなどの日常着を洗う際に使用している「弱アルカリ性の粉末・液体洗剤」は、浴衣の洗濯には絶対に避けてください。これらの一般的な洗剤は非常に高い洗浄力を持っていますが、その強すぎるアルカリ成分や、衣類を白く見せるための「蛍光増白剤」が、浴衣のデリケートな染料を破壊し、色あせや色ムラを引き起こしてしまいます。

浴衣の美しさを保つためには、必ず「おしゃれ着用中性洗剤」(代表的な製品として、花王の『エマール』やライオンの『アクロン』など)を使用してください。中性洗剤は繊維に負担をかけない優しい成分で作られており、色落ちや縮みを防ぎながら、汗やホコリなどの汚れを穏やかに落とすことができます。また、ウールやシルクだけでなく、デリケートな綿や麻の繊維を保護するシリコンなどのコーティング成分が含まれているため、洗い上がりの肌触りも非常に滑らかになります。

なお、洗剤の使用量は必ず製品のパッケージに記載されている「規定量」を守ってください。「たくさん入れた方が綺麗になるかも」と多めに入れてしまうと、すすぎがきれいにできず、生地に洗剤成分が残ってシミや黄ばみ、変色の原因になります。また、柔軟剤は適量であれば使用しても構いませんが、使いすぎると繊維の表面が必要以上にコーティングされ、浴衣本来の優れた吸水性が損なわれてしまうため、規定量よりも少なめに調整するのがプロのテクニックです。(参考:花王『浴衣の洗い方・干し方』

ドライコースなど最適な洗濯機のコース設定

ネットに入れた浴衣を洗濯槽に入れたら、いよいよ洗濯機のスイッチを入れます。ここで選択すべきコースは、普段使用している「標準コース」ではなく、最も機械力が弱く、生地に優しい水流で洗う「特別なコース」です。洗濯機のメーカーによって呼び名は異なりますが、主に以下のいずれかのコースを選択してください。

  • ドライコース(多くのメーカーで採用されている、デリケート衣類用のコース)
  • 手洗いコース(手洗いで優しく洗うような弱い水流を再現したコース)
  • おしゃれ着コース(中性洗剤の使用を前提とした、衣類に負担をかけないコース)
  • ソフトコース(回転数が少なく、水流が非常に穏やかなコース)

これらのコースは、洗濯槽がほとんど回転せず、ゆりかごのように左右に優しく揺れる動作を繰り返すため、浴衣の繊維同士の摩擦や型崩れを劇的に抑えることができます。また、水温についても注意が必要です。洗濯機がお湯と接続されている場合や、温水洗浄機能がある場合でも、必ず「常温の冷水」を使用してください。お湯を使用すると、繊維が急激に収縮して大幅に縮んでしまったり、染料が溶け出して激しい色落ちを招く危険性が極めて高くなります。

洗濯機の操作パネルでおしゃれ着コースやドライコースを選択している指先のアップのイラスト
※イメージ画像

たっぷりの常温の水の中で、浴衣を優しく泳がせるように洗う。この優しい機械コントロールこそが、自宅の洗濯機でも大切な浴衣をノーダメージで洗い上げるための極意なのです。

シワを防ぐための極めて短い脱水時間

浴衣の洗濯プロセス全体において、最も失敗しやすく、かつ仕上がりの美しさに壊滅的な差が生まれるのが「脱水」の工程です。洗濯機におしゃれ着コースなどを設定すると、標準で脱水時間が3分〜5分程度にプログラムされていることが多いですが、そのまま洗濯機にすべてをお任せして脱水を完遂させてしまうと、洗い上がった浴衣は深いクシャクシャのシワだらけになってしまいます。洗濯機の遠心力による強い圧迫こそが、シワを生み出す最大の原因だからです。

浴衣を洗濯機で洗う場合の脱水時間は、手動設定で「30秒から1分程度」に厳しく制限してください。洗濯機が回り始めて、本格的に高速回転に入ってから30秒ほど経過したら、一時停止ボタンを押して手動で浴衣を取り出します。

【水分の重みでシワを伸ばす「濡れ干し」の魔法】
取り出した直後の浴衣は、水分が十分に抜けておらず、「えっ、まだこんなに重くて水が滴りそうなのに大丈夫?」と不安になるかもしれません。しかし、この『水分がたっぷり残った状態』こそが正解なのです。浴衣に残った水の「自重(じじゅう)」が下へ引っ張る力(重力)となり、干している間に生地が自然とまっすぐ下に引っ張られ、アイロンを掛けたかのようにシワが綺麗に伸びて乾くのですよ。脱水は「水気が少し切れる程度」にとどめる。これこそが、アイロン掛けの苦労をゼロにするための最大の秘訣です。

型崩れを防ぐ陰干しの手順とハンガーの工夫

脱水が完了したら、1秒でも早く浴衣を洗濯ネットから取り出してください。脱水直後の水分を含んだ状態のまま洗濯槽の中に放置してしまうと、その形でシワがガチガチに定着してしまい、乾いた後にアイロンを掛けても全く伸びなくなってしまいます。取り出したらすぐに、以下の手順で干す作業に移ります。

まず、畳まれた状態の浴衣を広げ、両手で挟むようにポンポンと全体を優しく叩いて、脱水時についた大きなシワを伸ばします。次に、襟元や前立て、袖口などの縫い目(縫い代)を両手で軽くキュッと引っ張り、生地の縮みを均等に伸ばして形を整えます。

そして、干す際に使用するハンガーには「着物ハンガー(和装ハンガー)」を必ず使用してください。着物ハンガーは左右に伸縮する長いアームを持っており、浴衣の袖を端から端までまっすぐ水平に伸ばした状態で掛けることができます。一般的な洋服用のハンガーを使ってしまうと、袖の重みで肩の部分がボコッと突き出て型崩れし、袖部分に大量のシワが寄ってしまいます。もし着物ハンガーがない場合は、物干し竿に袖を左右均等に通してT字になるように干すか、突っ張り棒を袖に通して干す、あるいは太い洋服ハンガーに何重にも巻いたバスタオルを被せて肩幅を極限まで広げる工夫をしてください。

風通しの良い部屋の窓際で、左右に伸びた着物ハンガーに掛けられた浴衣が優しく揺れている様子のイラスト
※イメージ画像

干す場所は、直射日光の当たらない「風通しの良い日陰(陰干し)」、またはエアコンや扇風機の風が当たる「部屋干し」を徹底してください。夏の強い直射日光に当ててしまうと、デリケートな染料が紫外線で急速に分解され、お気に入りの色柄が一瞬で色あせて日焼けしてしまいます。日陰の涼しい風の中で、水の重みを利用してシワを伸ばしながらゆっくりと乾かす。これが、型崩れを防ぎ新品のような風合いを維持するための正しい仕上げの手順です。

浴衣の洗濯機洗いを大丈夫にするポイントまとめ

今回は、夏のイベントで大活躍したお気に入りの浴衣を、自宅の洗濯機で型崩れやシワなく安全に洗うためのプロ直伝のケア方法について詳しくご紹介しました。
おさらいになりますが、浴衣洗濯機大丈夫を実現するための最重要ポイントは、以下の通りです。

  • まず洗濯表示を確認し、綿やポリエステルなどの洗える素材か、水洗いが可能かを見極める
  • 色落ちテストを必ず行い、にじみや移染のトラブルを未然に防ぐ
  • 襟元などの目立つ汚れには中性洗剤の原液をなじませる「前処理」を行う
  • 型崩れを防ぐために「袖だたみ」にし、ピッタリサイズの洗濯ネットを使用する
  • 「ドライコース」などの弱水流を選択し、脱水時間は「30秒〜1分」と極めて短くする
  • 「着物ハンガー」を使い、直射日光を避けた「風通しの良い日陰」で陰干しする

この手順さえ徹底すれば、クリーニング代を浮かせながら、いつでも清潔で美しい浴衣をキープすることができます。
綺麗になった浴衣を自分で着付けてお出かけするなら、初心者にも扱いやすい浴衣の着付けセットはどこで買うのがおすすめ?の記事も参考にしてみてくださいね。
また、もしも毎回の洗濯やお手入れをもっと手軽に、カジュアルに楽しみたいとお考えなら、上下が分かれていて簡単に洗って着られる浴衣は二部式が超便利!大人の簡単おしゃれな着の記事もチェックしてみてください。

お気に入りの浴衣を自分の手で丁寧にお手入れすることで、より一層愛着が湧くものです。ぜひ今回の方法を参考にして、夏の浴衣ライフをより快適に、美しく楽しんでくださいね!

※なお、お持ちの浴衣の素材や洗濯表示、染色の仕様の組み合わせによっては、型崩れや縮み、色落ちなどのトラブルが起きる可能性もあります。正確な情報は各浴衣メーカーの公式サイト等をご確認いただき、ご自身の責任において丁寧にお手入れを行ってください。少しでも判断に迷う場合や、極めて大切な思い出の詰まった高級浴衣、絞り染め・金箔加工が施されているものなどは、無理をせず着物専門のクリーニング店や悉皆屋にご相談されることを強くおすすめいたします。

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